旧暦5月5日は現在の6月にあたり、気候が不安定な時期。
この季節を乗り切るため、古代中国ではさまざまな厄除けをしていました。
香りの良いものが邪気を払うと言われたことから、菖蒲の葉を軒下に吊るしたり、根を刻んで入れたお酒を飲んだりしたそうです。


実は、菖蒲湯に使う「菖蒲」は、紫色の花を咲かせる「花菖蒲」とは全く異なる植物。アヤメ科に属します。一方、葉に香りのある「菖蒲」(=葉菖蒲)は、サトイモ科の植物です。
なので花菖蒲の葉は、菖蒲湯の効用の血行不良・神経痛などへの効能もないので、菖蒲湯に入れる事はできないのです。 
菖蒲の花は蕾で買って次の日から咲き、3日目で枯れてきます。端午の節句 5月5日に一番花で満開にしたいようであれば 花店に5月3日に蕾で受け取るオーダーを入れると良いでしょう。

花菖蒲は一番花(いちばんか)二番花(にばんか)、三番花(さんばんか)が咲く特性があります。
花が枯れてしまった菖蒲のガクを触ってみて、固い蕾のようなものがあれば、2番花が咲く可能性があります。2番花が枯れてしまって同様の感触があれば3番花が咲く可能性があります。枯れた花菖蒲の花は摘んで抜き取ってしまいましょう。
もし2番花が咲かなくても葉も長く楽しめます。
この菖蒲は紫雲という名です。

さて、端午の節句になぜ菖蒲を飾るようになったのか?

端午の節句は、約2300年前の中国の楚(そ)の国王の側近政治家・屈原(くつげん)を供養するためのお祭」が起源だと言われています。

彼は人望も厚かったのですが、陰謀により国から追放されてしまいます。そんな屈原は国の行く末を嘆き、川に身を投げてしまったのです。国民達は彼を供養するために5月5日を祭りの日とし、それが徐々に病気や災厄を避ける行事となりました。これが日本にも伝わり「端午の節句」になったといわれています。

また、5月5日が「端午の節句」と呼ばれるようになったのは、旧暦において「端」は「初め」を意味し、「端午(たんご)」は月の初めの「午(うま)の日」をさしていたことが起源であると言われています。その後、「午(ご)」を「五(ご)」と読み替えるようになり、やがて3月3日の桃の節句と同様に、月も日も「五(ご)」で揃えるようになった結果、5月5日が端午の節句になったといわれています。

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